対談
 

人材育成とM&Aで省エネソリューションに注力

 

【中須】 今後の注力分野については、どのようにお考えですか?

【田中】 省エネをビジネスの一つの柱にしたいと考えています。現在も千代田興産本社内(福岡市中央区)に設置された省エネソリューション部に約10 名が在籍しており、鹿児島を筆頭に工事実績を増やしています。それ以外の地域においても、助成金が出る工場などの省エネ・CO₂ 削減の調査を入り口として受注を増やしていこうと考えています。そうなると営業体制の拡大は不可欠ですから、人材採用やM&A には今まで以上に注力していくことが必要になります。

【中須】 2016 年にM&A でグループ化された大和冷機も省エネの技術を持った会社でした。

【谷川】 良いご縁があって仲間に迎えることができました。大和冷機は40年以上の歴史がある管工事をメインとする会社。熱源の施工が強みで、資格を持つ技術者もそろっています。財務面もしっかりしている優良企業ですが、後継者不在に悩みをお持ちでした。同じ地域で事業をしており、互いの思いが一致したことが良い結果につながりました。

【中須】 M&A は足りない技術や人材を補う上で有効な手段になります。

【田中】 おっしゃる通りです。良いご縁があれば今後も挑戦したいと考えています。特に、ここ数年は省エネ・CO₂削減につながる工場の改修ニーズが高まっていますが、今は外注に出さざるを得ない状況です。社内で完結できるようになれば事業が広がるため、M&A も含めて投資をしていくことが必要だと考えています。

【谷川】 地域経済から見れば、M&Aで良い企業を残すことも一つの社会貢献の形ではないかと思います。技術があって財務内容が良い老舗企業であっても、後継者難や人材採用難から廃業を選ぶケースは少なくありません。そうした企業がM&Aで存続した結果、買収側にとって多角化などのメリットがあるのならば取り組むべきだろうと思います。