対談
 

会社を成長させるのは社員企業内経営者の育成を急ぐ

 

【中須】 社員がビジョンの策定に関わることは、全社的な視点や経営者の視点を持つ良いきっかけになります。また、社員教育については、チームコンサルティング対談以前から熱心に取り組まれておられます。

【田中】 会社を成長させるのは社員ですから、今後も人材の採用と育成には注力していきます。まず、人材採用はこれまで以上に対応していく必要があります。従来は代理店として黒子のような立ち位置に徹していたことなどもあり、企業規模に比べて知名度が低いことは課題です。人材採用が難しくなっていますから、今後は千代田ホールディングスが、グループ会社も含めて魅力を発信していくことが重要だと思います。一方、人材育成については、社内研修と社外研修を組み合わせて実施しています。定期的にタナベ経営の幹部候補生スクールに社員を派遣しており、参加した社員からは「異業種の方と交流ができて大きな刺激を受けた」など前向きな感想を聞いていますので、続けていきたいと思います。同じ立場の異業種の社員との交流によって、新しい発見があったり仲間ができたりするといった声は多く聞かれます。人材面で、ホールディングス化に伴って新たに検討されていることはありますか?

【谷川】 企業内事業家の育成は欠かせません。経営を経験させることが大事ですから、各拠点の分社化を進めていきます。まずは大分の事業所を分社化し、これをモデルに各拠点に広げていく予定です。幸い、「やりたい」と手を挙げている人材がいますから、非常に楽しみにしています。

【中須】 経営に携わることは、社員のやりがいにつながります。人材育成で言えば、2018年に「一般財団法人千代田財団」を設立されました。福岡県内の大学に在学し、機械工学、電気工学または情報処理を専攻する大学生に対して、返済不要の給付型奨学金を支給されています。非常に素晴らしい取り組みと言えますね。

【谷川】 当社は2020年に創業65周年を迎えます。長い間、福岡県に拠点を置いて活動させていただいたので何か恩返しをしたいと思い、これからの地域・社会を担う若い方を応援する財団を設立しました。今後は要件が整い次第、公益法人へ変更したいと考えています。

【中須】 貸与型の奨学金の返済に苦慮する社会人は少なくありません。給付型の奨学金によって学業に専念できるなど大学生の大きな助けになるはずです。優秀な人材が1人でも多く育つことは、地域経済や社会の発展にとって非常に意味のあることだと思います。